2016年05月14日
オマールの壁

映画『オマールの壁』を観てきました。
資本、スタッフ、撮影場所がすべてパレスチナ。
政治的なメッセージなど一切なく、
パレスチナの若者が生きていくということ、
パレスチナで恋するということがどういうことか、
映像だけで示してくれました。
信頼と裏切りの境目がはてしなくグレーなこのエリアでは、
自分自身だけはせめて確固としておかねば、
生きていくことも難しいこともよくわかりました。
また、現時点で500Kmもの長さの分離壁がヨルダン川西岸地区(パレスチナ難民が多く住むが、事実上イスラエルの制圧下にある)とイスラエルとの間にそびえている異常さが、映像でよくわかります。
主人公のイケメンパレスチナ青年は、ベルリンの壁の二倍の高さがあるこの分離壁を
毎日登って越えるのです。彼女や仲間と会うために。
場面の転換が早く、説明は最小限。
観客に考えさせる仕掛けもいろいろ。
パレスチナに関心がある人だけでなく、映画としてなかなか楽しめました。
これ以上はネタバレになるので書きませんが、
お近くの映画館で上映されたら、一考を。

Posted by gadogadojp at 01:18│Comments(0)
│映画
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