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2015年06月09日

わかる!!安保法制案(国家安全保障基本法案)

自由民主党が国会に提出した安保法案(国家安全保障基本法案)を読んだ方はどのくらいおられますか。

「安倍のやることはダメに決まっとる。」
「安倍総理のおっしゃることは正しいに決まっとる。」
「法律なんか読んでもわからないに決まっとる。」

という<決まっとる派>が多数派ですよね。
<決まっとる派>の皆さん、
「偏見や思い込みはいかん」というフランシス・ベーコンに従って、少し勉強してみませんか。

とはいえ、
「国家安全保障基本法」案(概要)を読んでも確かにイマイチ以上にわかりません。
提案者は、具体例をあいまいにしておきたいからです。

しかしこれでは質問が殺到するのは目に見えていますから、
提案者の自由民主党は質疑応答集のようなハンドブックを作成しました。
「安全保障法制整備に関するQ&A(自由民主党)」
ところが、これを読んだらますますわけがわからなくなります。
あいまいにしたいことを突っ込まれないように説明しようというのですから、ほとんど意味をなしません。

そんな折、元自衛官の泥憲和さんが、
この「Q&A」をわかりやすく解説してくださることになりました。
さすが、いつも明快な意見を述べられる泥さん、わかりやすいです。

このブログでも紹介させていただきます。
<決まっとる派>の皆さん、ぜひお読みくださいませ。



わかる!!安保法制案(国家安全保障基本法案)




泥 憲和
【自由民主党 安保法制に関するQ&A 改】

 自民党が安保法制に関するQ&Aを出してますが、内容が難しい。
 なので、わかりやすくしてみました。

Q1 なぜ今、憲法解釈を見直し、集団的自衛権の行使を容認する必要があるのですか?

A1 「なぜ今」もなにも、我が自民党は、憲法を変えて軍隊を持つのが党是です。
 はじめから党の原理原則です。
 憲法解釈を変えるのは最終目的である改憲に至る途中経過です。
 どうということありません。

Q2 憲法解釈の見直しは立憲主義に反するのではないですか?

A2 ご安心ください、全く反しません。
 現在行われている議論は、憲法を超越した異次元の議論ですので、憲法の出る幕ではないのです。
 しかも、我が党の憲法起草委員会は立憲主義という概念を知りません。

参照:立憲主義を知らない自民党「憲法起草」委、事務局長、「礒崎陽輔」議員に関する法律関係者のコメント
http://togetter.com/li/311536

 知らなければ当然違法ではありません(写真)。

Q3 今回の「解釈改憲」で憲法の規範性が損なわれる、との批判がありますが。

A3 ご安心ください、全く損なわれません。
 規範性はその規範を守るべきであるという合意が存在して初めて意味を持ちます。
 その規範性をわが党が認めていないのだから、合意が存在せず、したがって規範性がないのと同じです。
 ないものが損なわれるはずがありません。

Q4 憲法改正によるべきであり、なぜ閣議決定で解釈の見直しを行ったのですか?

A4 閣議決定で、憲法改正と変わらないことができるからです。
 同じことができるのに、どうしてわざわざ憲法改正という難しい方法を選ぶ必要があるでしょうか。

Q5 日本国憲法が掲げる「平和主義」は変わるのですか?「専守防衛」の方針は変更になるのですか?

A5 いいえ、そのようなことはありません。
 これまで「戦争」と呼んでいたものを「平和」と呼ぶので、平和主義はそのままです。
 「専守防衛」も同じです。
 今後は攻撃を防衛と称しますので、今までどおりの言葉で説明が可能です。

Q6 集団的自衛権の行使を認めれば、日本は再び戦争ができる国になるのですか?
 また、他国の戦争に巻き込まれることになるのではないですか?

A6 海外派兵は一般に許されないという従来からの原則は全く変わりません。
 あくまでも例外的かつ恒常的に海外派兵するだけです。
 その場合も、武力行使を目的にすることはありません。
 目的は武力行使それ自体ではなく、敵の制圧ですから。
 また、他国の戦争に巻き込まれるようなことは絶対にありません。こっちから飛び込んでゆくのです。

Q7 外交と抑止力の関係について教えてください。

A7 「おい、お前が持っているそれをよこせ」。
 これが外交です。
 いかなる紛争も平和的に解決すべきですから、よこせといわれた相手は素直によこすべきなのです。
 「いやだ」というから戦争になるのです。
 しかしこちらが雲を突くような大男だったら、相手は「いやだ」と言いたくても言えません。抵抗は無駄だと観念しておとなしく差し出せば世界は平和です。
 抵抗は無駄だと思わせる強い力、これが抑止力で、平和の力です。

Q8 徴兵制が採用され、若者が戦地へと送られるのですか?

A8 そんな心配は無用です。
 アベノミクスが成功すれば、仕事のほしい愛国的若者が兵隊に志願します。
 仮に志願者が足りなくなっても大丈夫です。
 徴兵制を検討している我が党が、主権者である国民の支持を得て国会で多数を占めているのですから、国民が徴兵制に自発的に同意したものと見なして差し支えありません。
 すなわち徴兵は、主権者たる国民の意思です。
 自発意思で戦地におもむくのですから「送られる」のではありません。
 主権者の意思に反して兵役を忌避するような反民主主義的行為を防ぐため、道徳など学校教育を通じてしっかりとしつけますので、ご安心ください。

Q9 議論が拙速であり国会で十分な審議を行うべき、との批判がありますが。

A9 議席なんかいつ減るか分からないのだから、勝っているうちにやってしまうのは当然です。
 社会党の党首が首相だった時、村山談話を出したりアジア女性基金を作ったり、好き勝手をやりました。今度はこっちの番です。
 そもそも集団的自衛権は三十年前の中曽根内閣時代から国防政策として取り入れられていたものです。
 アメリカにも約束しておりますし、いまさら審議もへったくれもありません。

Q10 自民党の選挙公約等における集団的自衛権に関する記述を教えてください。



Q11 国際法と日本国憲法における「武力の行使」の違いは何ですか?

A11 たとえば「後方支援は武力による威嚇または武力の行使に当たる」と国際司法裁判所で認定されています。
 今回わが党は、後方支援は日本国憲法では武力による威嚇または武力の行使に当たらないことにしました。

Q12 個別的自衛権と集団的自衛権の違いは何ですか?

A12 個別的自衛権とは、「やられたらやり返す権利」を言います。
 これに対して、集団的自衛権とは、「やられているのは友達で自分はやられてないけど、やられたことにしてやりかえす権利」のことです。
 いずれにせよ、痛い目を見るのは相手だから、同じようなものです。

Q13 集団安全保障とは何ですか?

A13 国連の措置として集団でボコボコにすることです。

Q14 昭和47年の政府見解とは何ですか?

A14 「やられたらやり返しても良い」という理屈のことです。

Q15 昭和47年の政府見解の枠内で、なぜ結論が変わるのですか?

A15 「やられたらやり返しても良い」には「誰がやられたか」が書いてないので、「他人が」と補って読むことにしました。

Q16 武力行使の「旧三要件」と「新三要件」の違いは何ですが?どのような場合に集団的自衛権の行使が可能となるのですか?

A16 「旧三要件」は「すでにやられている」「やり返すしかない」「最低限にとどめる」でした。
 「新三要件」は「やられるにちがいない」「やり返すしかない」「最低限にとどめる」です。

 「旧三要件」は、すれちがった相手が殴りかかってきたら反撃出来るだけでしたが、「新三要件」はすれちがった相手が殴りかかって来るに違いないと思ったらぶん殴ることが出来るので、とても安全になります。
 殴ってから思い違いだったと判明することがあるかも知れませんが、私たちの安全のためだから背に腹は代えられません。相手に辛抱してもらいましょう。
 強い米軍がバックについていれば、相手は文句言えないはずです。

 集団的自衛権の行使が可能となるのは、政府が集団的自衛権の行使が可能だと決めた時だけですから、それで充分な歯止めになっております。

Q17 「新三要件」が曖昧で、武力の行使に「歯止め」がかからないのではないですか?

A17 そう思うなら選挙に勝ちましょう。

Q18 いわゆる「8事例」「15事例」とは何ですか?

A18 陳列ケースのサンプルみたいなものです。
 食べたら美味しいだろうと思ってもらうための仕掛けです。
 メニューが全部並べてあるわけではないし、出来上がりもサンプル通りではありません。
 本当に美味しいかどうか知るために、まず食べてください。
 以後の質問に対する回答も同じですから省略します。



わかる!!安保法制案(国家安全保障基本法案)




追加しましょうね。
おなじみになったあかりちゃんの最新版です。




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スカラ・ニスカラ
スカラ・ニスカラ(2019-06-24 21:00)


Posted by gadogadojp at 22:03│Comments(4)評論・エッセイ
この記事へのコメント
徴兵について、あり得ないでしょう。
何処を読めば、何故徴兵が浮上するか、
理解出来ない。
その点を教えてください。


私が徴兵がない理由です。
デメリットとメリットは?
徴兵は何年間を拘束するか?
ハイテクが進んでいる現在、鉄砲持てば、
一人前でなく、どのような機器操作等でも、
最低3年以上の教育と訓練が必要と思われる。


その間、当該の若者全ていなくなれば、
社会の損害はいかほどであろうか?
大学等の教育期間中なら、大学等で学んで
いる途中で、3年以上教育を中断したら、
本人でなく、社会としての損害はいかほどであろうか?
大学等の教育は、最初からやり直しですか?

徴兵を行い、現在の全ての能力を下げるなら、
本末転倒以上の話しと推察する。
徴兵する事よりも、志願で人員を確保し、
教育及び訓練を実施したほうが、効率が良くないですか?
志願してもらえる環境は、現場も考る必要があると思う。
最低の予算と資源で、効率良い方法を考えれば、徴兵はないと思われる。
Posted by 吉田 at 2015年07月16日 19:38
ゴミみたいな解釈すんな
Posted by 安保法案可決 at 2015年09月18日 02:59
吉田さんこんにちは。
強制的徴兵であろうと経済的徴兵であろうと、日本の若者を軍隊の教練に参加させ、国家への忠誠を誓わせるその点で同じであろうとみています。ロボットだけが戦闘を行う時代がやってくるのでないかぎり、兵士は消耗品として扱われます。しかし徴兵の最大目的は個人の自由よりも国家への忠誠を誓う国民を増やすことにあります。軍隊経験を経た若者たちの洗脳だけではなく、その家族や共同体への洗脳が期待できることも重要です。さらに軍隊の増強は、そういう国家体制に対する国民の批判を封じ込める暴力的威圧になるのは世界の歴史が証明している通りです。徴兵の目的は戦争だけではないのです。
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2016年08月27日 00:20
そのコメントはゴミ以下であるという自覚はおありですか。
Posted by gadogadojpgadogadojp at 2016年08月27日 00:22
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