2007年06月24日
なぜその店で食べるの?
「阿宗麺線」の料理自体へのコメントは、もう一つのブログ「うんぼく食べるよ」http://oumonhagebudai.ti-da.net/に書きました。
ここでは、この店体験から触発された問題意識を、まとまらないまま掲載しておきます。
ここでのナマの問題意識は、
A「人はどういう心的契機と思考の経過を経て、旅のスタイルを決め、レストランを選ぶのか」
B「人はなぜ、(旅や外食体験を含む)個人的体験を、ブログにして開陳したいのか」
という、まあ、
「そんなこと、考えることとちゃうわい、好きなようにしたらええんや。」と言われそうなしょーもない命題立てなのですけれど
自分の食や旅のスタイルをつい最善のものと決めつけがちな自分の独善を自戒したいという願いもあるものですから。
そうです、Bに対するgadogadoの回答の一つはここにあるのです。世間にさらす事で他者からも自分からも批判を受けたいのです。
が、これは普遍的な、ブロガー共通の動機(の一つ)なのでしょうか。
さて、以下は評論以前のただの思いつきの遊びです。まともな裏付けもありません。そのつもりでお読み下さい。
飲食店の場合
一定以上の繁盛店であることを前提条件としておくと
安くて手軽な料理の場合、高価で敷居の高い店にくらべて訪問客は相対的に多いはずです。
読者からのクチコミだけで成り立っているグルメサイトに「アスクユー・レストランガイド」 http://www.asku.com/rgj/ があります。そのクチコミ投稿数を比べると、(例えば大阪市を例にとると、)大阪駅前第三ビルのうどん店「はがくれ」が102件、戎橋の豚まん「蓬莱本店」が62件なのに対し、大阪高麗橋の和食の名店「本吉兆」は4件、同じくフレンチの老舗「ラ・ベカス」は5件にとどまります。千円以下で満足できるお店と、5万円なり3万円なりで食べられるかどうかのお店とでは当然、訪問客数の次元が異なります。
次に、上記の四店に関するブログが各々いくつあるかを、yahooで検索してみました。(ブログ内容のチェックはしていません)
「はがくれ」が394件、「551蓬莱」で2517件!、「本吉兆」が22件、「ラ・ベカス」が47件でした。asukuとにおける順位とは異なりますが、訪問客の数とブログの数に相関関係はありそうです。(どなたかもっと多くのサンプルを調べてください)
仮定法則?「安くて手軽な店への訪問客は(高価で敷居の高い店より)多いからブログもまた多い」
しかし、日本列島に住む人々が海外に旅行する場合は、この法則?は通用しません。
件の「阿宗麺線」でブログを検索してみました。141件のブログがヒットしました。ここはいわゆるB級グルメの路面店。これはかなり多い数字と見て良いのでは。
ところが、同じように台湾ガイドブック掲載確率の高い小籠包の「鼎泰豊」(ディンタイフォン)だと、 1000件以上ヒットするのです。 この店で食事をすると、「阿宗麺線」の10倍を超える金額を支払う事になりますから、先の法則?はここに潰えました。
それではなぜ、国内と海外とでは異なる結果がでるのでしょうか。
1>海外に旅行する場合は(とりわけアジアなど物価の安い国だと)、日本人の財布はお大尽の財布のふくらみになりますから、上記の法則?が通用しない。つまり、アジアの高価は日本人の安価。
2>「鼎泰豊」は「阿宗麺線」と違って規模の大きな一軒食堂であり、団体客も比較的入りやすく、ツアーに組み込まれやすいから。
3>旅慣れしてきた日本人観光客だが、あいかわらず付和雷同の傾向がある。広告宣伝にも釣られやすい。
4>または権威好き傾向がある。「鼎泰豊」のような、欧米の権威が認めたレストランに好んで行く。
5>または食中毒恐怖症の傾向を示している。過度の清潔好きになった昨今の日本人は、屋台よりレストランを好む。
6>旅、特に海外旅行となると、日常と同じ価値観ではつまらないから散財する。
等々の理由を思いつくことができます。
この中で、3、4、6の動機の場合は、帰国後の「あの店に行って来たのよ」話題として生かされやすいようにみえます。
「あの店に行って来たのよ」に対し、「へえ、いいなあ。」または「そのお店わたしも好きよ。」的リアクションがあった場合は、話す方も満足感が得られます。ブログの存在価値の一つはここでしょう。
どうやら、ブログの興隆は、ブログのための店選び行動にも直結しているような気がします。そのためにも、(日本より安価な)アジアへの旅行者が今後一層増えるでしょう。
「ブログは、日本人のアジア旅行を助長する。」
今日の法則?その2です。
まだまだ最初の問題意識の回答は得られていませんが、入り口にはたどりついた気がします。
いずれまた、この話題を深めましょう。
Posted by gadogadojp at 09:00│Comments(0)
│評論・エッセイ